
部室にて、中1の「この中に1990年代生まれの人っているんですか?」という発言にジェネレーションギャップを感じております、1999年生まれの小原です。
今日の部活では6名の新たな中1部員が参加して、中1が合計で9人という大所帯になりました。
今後の活動が楽しみです。
さて、昨年度3月に行われました、春合宿の報告書をアップさせていただきたいと思います。
2015年度春合宿報告書
・合宿地 谷川岳天神尾根付近(1/25000地形図「水上」)
・日程 3月21日~23日(予備日24日)
・目的 基本的な雪山技術の習得
・参加者
高1
小林 将大
小原 健人
小田宗一郎
建石 航希
長谷川篤紀
中3
外ノ池 拓
中2
布施田大真
中1
田中 春陽
越井 丈朗
竹迫 律貴
田川 斗馬
(敬称略)
顧問
山本 哲裕
山廣 真之
OB
冨塚 啓太
・行程
3月21日(雪がぱらつく。全行程トレース有)
10時20分土合駅集合
トイレ、ウェア調整など準備の後出発
11時頃土合口駅到着、チケットを購入
昼ご飯を土合口駅で食べることになり、11時40分まで昼休憩をとる
ロープウェイに搭乗し、天神平駅到着後、駅付近でアイゼンを装着
12時20分天神平駅出発
スキー場のコースのわきのポール沿いに登り、田尻尾根を横切る
斜面をトラバースし、13時ごろ適地を見つけて幕営(天神尾根と田尻尾根の間の北東斜面)
順次各テント雪洞を掘り始める(積雪は2m~3m程度)
16時30分ごろ完成のメドの立たない2テントは作業を切り上げてテントで食事の準備
18時ごろ1テントの雪洞完成
20時就寝
3月22日(快晴無風)
前日雪洞が完成しなかった2つのテントは5時起床で、朝食後順次雪洞を掘り始める
雪洞が完成しているテントは6時起床で他テントの雪洞の完成を待つ
10時頃1テントの雪洞が完成
14時頃もう1テントの雪洞完成
アイゼン歩行の練習(アタックザックを背負い天神平駅を往復。上級生と下級生が交互になって隊列を組み上級生が気になった点(足の間隔が狭い、腰が引けてる、等)を注意)
15時50分頃幕営地到着
16時20分まで2班に分かれて滑落停止訓練
全班雪洞泊(20時就寝)
3月23日(早朝まで雪、その後曇り。スキー場脇までトレースなし)
5時起床
テント撤収と雪洞破壊を並行して順次行う
テント撤収後埋没体験(全員やると時間がないので、小林(高1)、外ノ池(中3)、布施田(中2)越井(中1)、山本先生が体験)
8時17分幕営地出発
9時20分天神平到着、解散
・反省文
高1
小林
最後の春合宿が終わってしまった。反省点も多々あったが、登頂を目的としない数少ない山行・合宿を目的意識をしっかりと持って行い、充実した時間を過ごせたという点で満足のいく合宿になった。
最も大きな反省点は、後輩への指導があまりできなかったことである。米を炊くときは高1が水の量から炊く時間まで管理していて中1に教えることが出来なかった。その他の調理も同様である。雪上訓練の時も、これは仕方のない面もあるが滑落停止がうまくできず教えることはできなかった。
また、雪洞作成の際冨塚さんに頼りきりであったのも大きな反省点である。体力不足がこれは体力不足が大きいので、最後の夏合宿の長い行程を完遂するためにもトレーニングを積む必要があると感じた。
そして、これは普段の部活にも通じることだが、今回も部長として合宿をしっかりと仕切ることがうまくできなかった。リーダーシップのなさは同輩からも指摘されたびたび自己嫌悪に陥るが、そうはいっても部長の座にある以上役目を果たさなければならない。今回の場合、雪洞を掘り終わった班が終わっていない班を待つ時間をどうするかや、全く計画通りに進まない雪上訓練の取捨選択など、判断を迫られることが多々あったが、結局空き時間は有効に活用できなかったし、雪上訓練は知識の豊富な同輩の長谷川くんに多大な助言、というかほぼ彼に言われるがままに行っていた。これに関しては初めから彼に任せておけばよかったかもしれないが、普段の部活はそうはいかないので、自己成長の場だと割り切って邁進するしかない。
しかし、冬合宿は反省を大いに生かすことができた。主に高1に仕事を振り分け、多少の不備はあったもののそれなりに余裕を持って合宿を迎えられた。これからもよろしくお願いします。
小田
今回の春合宿は自分にとって最後の雪山山行だった。集大成、とまでは行かないが、この3、4年で培った雪山での経験、知識といったものは中1の時に比べるとはるかに向上しており、それを活かせたと思う。
反省点としては、雪洞の設営場所のことである。あれは自分が他班が諦めた雪洞の続きをやったらどうだ、と提案したのだが、それが結果的に他班より遅くなり、他班に迷惑をかけてしまう結果となった。
雪洞に関しては、ある程度の積雪も必要だし、まとまった時間と、あとどうしてもOBの方や、顧問の先生の力を借りてしまうことになり、シャベルもあの量では足りなかったようなので、普段の雪山山行でやるのは現実的ではない、と実際に体験して感じた。そういう点では、この合宿は普段の合宿とは大きく性質の異なるものだったが、新しい知識を吸収することができ、大いに意義がある合宿だったのではないだろうか。
もちろん今回の合宿で得たものを活かすのは僕たちではなく、今の中学生である。この経験を活かしてほしいと思う。
あと、反省文とは全く関係ないのだが、米の炊き方の話をしたいと思う。いちおう後輩向けである。あくまで個人的な意見なので読み流してくれて構いません。
山岳部の食事において米の良し悪しは結構重要である。行程が長い合宿などで米を大失敗するということは、多くのエネルギーを必要とする合宿で、主食が丸々消滅することを意味する。そこで、大成功とまではいかないが、この2年間ほど、(恐らく)失敗したことのない米の炊き方を書いておくので、中学生諸君がこれからの山行で大失敗しないよう願うものである。
①水
水については、無責任なようだが良くわからない。諸説あるが、この山岳部で一番ポピュラーな「人差し指の第一関節まで水を入れる説」は正直怪しいと思う。人差し指の第一関節の長さというと、統一されていて信用できる単位のように思えるが、実態は各々が適当に水を入れる大きなる要因になっている気がする。
そこで、あるサイトに書いてあった「無洗米は一合に対して230ml」説を信じることを推奨する。これなら人によって大きな差異はでないはずだ。問題はどうやってその細かい単位を測るかなのだが、2Lペットボトルと相談したり、計量カップの購入を考えてください。フィーリングだと以前と何も変わらないので。
水はこんなところである。適当で申し訳ないです。あと米を漬けたあと水を足さない人がたまにいるので、そこは注意。
②炊き方
ヘッドの使い方は言わずもがな。「消えない程度に弱火に保つ技術」は必要である。
では、米の炊き方だが、これは非常に簡単である。「吹きこぼれるまで中火で、吹きこぼれたら極小火にして15分」でいいと思う。山岳部に伝わる風習で、「最後強火にして10秒待つ説」というものがあるが、正直良くわからない。自分はやらなくていいと思う。
自分はこのやり方で(恐らく)失敗したことがない。最近は米を炊くときに、五感を使って自分のタイミングで火を調節するという「感覚派」が台頭しているようだが、それで自信があるのなら構わないのだが、安全に米を炊きたいなら天才を真似るのではなく、「吹きこぼれるまで中火、吹きこぼれたら15分」を実践することをお勧めする。
このやり方の注意点としては、吹きこぼれるまで待つというこのやり方の性質上、鍋を持つ人はそうとう手元が熱くなるので、その状態は危険だから、もう一人が急いで火を弱火にしてあげることが重要である。
15分という数字に関しては、何も確証があるわけではないが、今までこれでそこそこうまくやってこれた。もちろんこのやり方をアップグレードすることは素晴らしいことだと思う。よりよい時間が見つかればそれに越したことはない。
結論としては、①水は一合に230ml②炊き方は吹きこぼれるまで中火、吹きこぼれたら15分待つ、である。もちろんこれはあくまで自分の個人的意見なので、参考程度に思っていてほしい。
以上です。反省文を載せる場に関係ない長文駄文を書いたことをお許しください。
小原
今回は、合宿中に体調を崩してしまい、テント長として、高1として、役割をきちんと果たせたかどうか疑問が残ってしまったように思う。雪洞の作成では顧問の先生にご負担を背負わせてしまい、本当に申し訳なかった。合宿最終日の翌日から、泊りがけの学校行事が控えていて、合宿の準備との両立が難しく、体調管理が徹底できていなかった。
他にも問題点はあったと思うが、大方部長に報告したので個人としての反省点は以上だと思う。
建石
今回が僕の山岳部としての最後の雪山となった。雪山技術の習得という目的に関しては、登頂とはまた違った達成感を得られて良かった。
反省点は、冬合宿に続きまたも竹ペグの付け方を後輩に十分に教えられなかったこと、他にも料理等は後輩が主導となってやってもらうべきであったが、高1が鍋を持ったりして主導権を握ってしまった。先輩としての後輩との接し方は反省点が多かった。
個人としては、雪洞作成を富塚さんに多くを頼ってしまい、あまり自分から積極的に行動できなかった。これは行程全体にも言えることだろう。
最後に食糧会計として、肉の値段について言及する。最近は以前と異なり、担当者が前日に購入する形となっておりテントごとに値段格差が生じることは否めない。個人の値段に対する価値観にどうこう言うのは野暮かもしれないが、無理に高級な肉を買う必要はなく、店で一番安いものを買うので構わないというのが私の意見である。
長谷川
未提出
中3
外ノ池
未提出
中2
布施田
今回の合宿は雪上訓練がメインだった。滑落停止、埋没体験、雪洞作りは高校生がいないとできなかったと思います。そういう意味で今回の合宿は有意義なものになりました。得難い貴重な体験ができました。滑落停止訓練は練習を積まないと実際に滑落した時にできないと思います。
今回、個装を忘れることはなかったが団装の牛脂を忘れてしまった。肉の脂身で足りたと思います。以後団装を忘れないようにしたいです。
中1
田川
まず、最初の登りが急だったとはいえすぐフラフラになるのはトレーニングが足りないと思った。あと、最終日のテントの片付けに参加するのが遅かったので気を付けたい。
竹迫
今回の合宿で反省した事は、事前の下調べ不足であった。今回、てっきりイグルーを作るものだと思い込み、行きの新幹線で調べてしまった。雪洞を掘ると書いてあったので、雪洞について調べるべきであった。よって、雪洞を掘る場所を間違えてしまい、時間がかかった上、その影響で他の班まで待たせてしまった。
その他の反省点としては、1日目の夕食の際、牛脂を2日目の為に残せばよかったという事である。ただ、今回の合宿は時間は割けなかったものの、雪上訓練が出来たので、良かったと思う。
田中
今回の山行はうまく自分の仕事を見つけて行うことがあまりできませんでした。そのせいかボーッとしていた時間が多くなってしまいました。 これからは積極的に仕事を行なっていきたいです。
越井
今回の反省点は、まず、雪洞を作ることに時間をかけてしまい、他の班に迷惑を書きてしまったことだ。原因としては、他の班よりも異常に大きいものを作成していたためということがあげられる。これからは、周りに迷惑をかけないようにしたい。
また、荷物管理が行き届かず、撤収の際にポール袋が行方不明になったり、帰りの駅の改札前にお土産を置き忘れてきたりした。これからは荷物管理をしっかりとしたい。
さらに、行きに遠距離の切符を買うのが面倒という理由から、高崎駅の分までの切符しか買わず、土合駅で精算に戸惑った。これからは準備もしっかりとしてきたい。
反省会で出た反省点
雪洞を掘るのに時間がかかったのはリサーチ不足だったのではないか(緩斜面だと排雪が大変)
雪洞を掘り終えた班は、ばらばらには滑落停止訓練を行っていたものの公式的には行っていなかったので、無駄な時間が生まれないよう指示をだして訓練をすればよかった。
雪洞を掘る際OB、顧問の方々が総動員されていた。このような状況は今までにはなかったので、おかしいのではないか→体力不足が原因。日々の部活でトレーニングをしっかりする
準備会の集合時間は守ろう
冬と同様計画段階でバタバタしてしまった(計画書、食糧計画の不備など)
目覚ましをかけよう
米の炊き方をいい加減確立した方が良い
・総括
僕にとって最後の春合宿は、今までにない形式の合宿となった。そもそもこのような合宿にしたのは、当初は従来通りの合宿にしようと思っていたが、冬合宿の計画時に蝶ヶ岳に行きたかったのが、顧問・OBの方々からの心配があり行けなかったという体験から、技術を習得して目的地の幅を広げたいという意見が同輩から寄せられたからである。正直訓練だけで時間が持つかどうかとか、様々不安要素があったが、雪洞作成に時間がかかったのもあって充実した時間を過ごせたし、後輩の反省文を見るとよい体験が出来たなどと書いてくれているようなので計画した側としては達成感がある。全体としての反省点は、反省会で出た反省点を議事録のような形で公開したほうがいいのではという要望があったので、上にそれをまとめてある。
今回の春合宿にとどまらず、知識、技術を継続的に習得し、山への関心を深めるために、新年度からは月2回座学を行い、月例山行の計画は基本的に後輩に任せることにした。その様子などもお知らせ出来たらいいなとおもっています。
・写真

高崎駅。まだ集合前です。

下りのプラットホームはトンネルの中。

地上に出るためには長〜い階段を登ります。(下りホームだけ!!)

もぐら駅の異名を誇ります。

登山客への呼びかけ。

駅からロープウェイの山麓駅まで歩きます。

ロープウェイで。

初日は少々風と雪が。

雪洞を作ります。結構な重労働です。

雪洞の中。

雪を効率良く捨てるためにツェルトを利用。斜面の斜度が急であれば急なほど、排雪が楽になります。

整地のために、スノーソーで雪を切り出します。スノーソーの利便性とかっこよさに部員が心を打たれました。

整地したところにテントをたてます。

二日目は快晴で、谷川岳方面がよく見えました。

イグルーをぶっ壊す顧問。

雪上訓練。ピッケルを持って、アイゼンを履いて歩きます。

天神平スキー場。平日だからか、かなり空いていました。

完成した雪洞に寝るところです。

埋没体験です。

雪をかぶせて、どの程度の埋没で声の伝達が変わるのか、身動きが取れなくなるのか、体験しました。

三日目、天神平駅にて集合写真を撮り、解散しました。

解散後に天神平駅に併設されているスキー場レストランでブランチ。

土合駅はかなり列車が少ないので自分は上毛高原駅までバスを乗り継ぎ、新幹線で帰京。
さて、冬合宿での反省を生かし「技術習得」を目的に掲げた春合宿でした。
僕らの代の動きが少しでも後輩たちにとって、今後の山岳部の方向性のヒントになればと思います。
引退まであと4ヶ月ほどになりましたが、今後とも山岳部の活動に励んでいこうと思います。
以上です。
<追記>
5/14 未提出者の反省文を一部掲載しました。
タグに「米の炊き方」を追加しました。
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